シャドウ・DN8(Shadow DN8)は、F1コンストラクターのシャドウが製作したフォーミュラ1カーである。マシンデザイナーはトニー・サウスゲート、デイブ・ウォス。
概要
1976年シーズン用に開発されたが、前年までのスポンサー、UOPの撤退による資金難とサウスゲートがシーズン途中にロータスへ移籍したことにより製作が遅れ、完成・デビューはシーズン後半の第11戦オランダGP。シャーシ・"1A"はトム・プライスにより初レースで4位入賞。
翌1977年のアルゼンチン、ブラジルの南アメリカラウンドもプライス用の1Aのみで参戦(新加入のレンツォ・ゾルジは古いDN5Bに乗る)。第3戦南アフリカGPでマシンを大改修。フロントノーズにあったオイルクーラーをマシン両サイドに移設、それに伴いサイドポンツーンが前方に伸びて大型化する。また、ギヤボックスを5速から6速に変更。それと同時に2台目のシャーシ・"2A"が完成し、プライスが使用。それまでの1Aはゾルジ用となる。しかし、このレースでプライスが事故死(詳細はトム・プライス#事故死を参照)、2Aは大破。その後シャーシ・"3A"が製作される。
オーストリアGPからシーズン途中に復帰したサウスゲートの手により再び改修されたシャーシ・"4A"が登場。アラン・ジョーンズによってシャドウにチーム唯一の優勝をもたらした。
1978年はDN9の投入までのつなぎとして出走した。
基本スペック
シャーシ
- シャーシ名 DN8
- シャーシ構造 アルミニウムモノコック
- ホイールベース 2570mm→2720mm
- トレッド(前)1435mm
- トレッド(後)1525mm
- タイヤ グッドイヤー
- ギヤボックス ヒューランドTL200 5速→6速マニュアル
エンジン
- エンジン名 フォード・コスワース DFV
- 気筒数・角度 V型8気筒・90度
- 排気量 2,993cc
- 燃料・潤滑油 フィナ・バルボリン
F1における全成績
(key)
*1976年の7ポイントはシャドウ・DN5Bが獲得。
*1977年の1ポイントはシャドウ・DN5Bが獲得。
*1978年の4ポイントはシャドウ・DN9が獲得。
脚注
参考文献
- 大串信「1000分の1秒のヒーロー列伝 車体番号が語る名マシンの一生 FILE59 SHADOW DN8-2A」『F1グランプリ特集』1995年10月号、ソニー・マガジンズ、1995年、139-143頁。


